|admin|RSS1.0| Atom0.3| はてなアンテナに追加| はてなRSSに追加| My Yahoo!に追加| Googleに追加|RSSリーダーで購読する|
「ゴキゲンに生きる」3000の知恵
おちゃらけ家族8年間の記録まだまだ更新中
 
クリックで救える命がある。

ひとりでも仙人(5)

オレはそのとき初めて
デカブツの背後にいた
二人のチンピラどもを
見ることができた。

肥ったのと痩せたの。

どちらも黒ずくめの服を着て、
痩せっぽちの方は緑に
ふとっちょの方は黄色に
髪を染めている。

呆然と口を開けて
赤毛が飛んでった方を
見やっていた彼らは、
オレと目があった次の瞬間
突風に吹き飛ばされたみたいに
くるくると宙を舞った。

そして、彼らもデカブツと同じ
信号機のてっぺんに引っ掛かった。

路側帯に乗り上げた車のヘッドライトが
ちょうどスポットライトみたいに
三人を明るく照らしている。

情けない顔をして
信号機にぶらさがっている彼らの
髪の色が、左から緑・黄・赤。

 

オレは歩道の上にへたり込んだまま
その一部始終を見ていた。

交差点はまだ車で埋まっており、
コンビニ周辺は人が右往左往していて、
どこからかパトカーの音が聞こえていた。

しかし、三バカトリオが
どうやってそこに登ったかについては、
まだ誰も詮索していないらしかった。

とはいえオレ自身も
逃げだそうにも足に力が入らず、
尻を地べたにつけたまま
ぼうっとした頭で
いま起こったことを考えていた。

すると、背後から
ひたひたと迫る足音が聞こえる。

あのジジイだ。

あのジジイの仕業だと、
こんどは認めなくてはなるまい。

オレはおそるおそる振り返った。

ジジイはそこに立っていた。

そして
ニヤリと笑みをうかべながら
「腹が、へったなぁ」
と言った。


| Story | | comments(0) | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - ひとりでも仙人(5) |

ひとりでも仙人(6)

「んまい。んまい」
とひとりごとを言いながら
ジジイはカップ麺をすすっている。

アパートに連れてくる道すがら
ジジイの素性を尋ねたが、
どうも要領を得ない。

つーか、オレの理解を超えている。

ジジイの話をそのまま受け取れば、
三百年ぐらい前に日本で生まれて
中国に渡って仙人になる修行を
していたんだそうだ。

仙人というのは、西洋で言えば
魔法使いみたいなもんかと聞いたら、
修行を積んで何かの奥義を極め、
不老不死になった者のことだと。

そういえばこのジジイ、
髪とヒゲは見事に真っ白だが、
肌のツヤなんかは
40代のオヤジといっても
いいぐらいの感じだ。

「じゃが、ワシはまだ修行中なのでな。
 仙人ではなく『方士』と呼ばれるんじゃ」
とジジイは、これまた年齢にしては
張りのある声で言って

「あー、うまかった。
 こんなうまいものがあるとはのう。
 長生きはするもんじゃ」
と箸を置いた。

オレにしてみたら、
三百年も生きてりゃもう充分じゃねーか
という気もするが。


「それにしてもジイさん」

「なんじゃ」

「仙人はカスミを食って
 生きてるって聞いたことがあるが」

「確かにそうじゃ」

「だったら、なにもこんな俗塵まみれの
 カップ麺なんぞ食わなくったって」

「何をいう。
 現代の中国や日本の空に漂うカスミを
 誰が食いたいと思うか」

「ああ、なるほど」


「ときに、おまえの名はなんという」

「あれ? まだ言ってなかったっけ。
 コースケだよ、コースケ」

「そうか。コースケか。いい名だ」

「そうかなァ」

「嫁はおるのか」

ふとマユミの顔が脳裡に浮かんだ。

しかし
「いないよ」
と答えた。

「なら、
 ワシの娘を嫁にとる気はないか」

「え」

「親のワシが言うのもなんじゃが、
 いい娘だぞぇ」

「ぞぇ」

「どうじゃ」

「会ってみないとなんともいえねーよ。
 それに娘さんの意見もあるだろ」

「写真ならある」

「どれどれ」

「ほれ」

 

「・・・・・」

「どうじゃ」

「写真が古くね?
 それに何かの切り抜きみたいだし」

「そう見えるのは
 おまえの徳が足りんからじゃ。
 徳を積めば、この写真が
 次第に鮮明に見えて来るんじゃ」

「ほ、ほう…」
なんだこの説得力。


オレは缶ジュースを一口飲んでから
初めから気になっていることを
尋ねてみた。

「しかしジイさん」

「なんじゃ」

「なんでオレなわけ?」


| Story | | comments(0) | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - ひとりでも仙人(6) |

ひとりでも仙人(7)

オレの質問にジジイは
「偶然じゃ」
と答えた。

「え。じゃあべつにオレじゃなくても、
 誰でもよかったってことか?」
と、ちょっと憤慨したら

「偶然は起きてしまえば必然になる。
 人はそれを『縁(えにし)』と呼ぶ」
とのたまいやがった。エラそうに。


「じゃ、ジイさんの目的は?」
オレは質問を変えてみた。

そしたら、
「そんなものはない」

「んなこたァねーだろ」

「そんなこざかしい考えだから、
 人間は誰も彼も不幸なんじゃ」

とりつくシマもない。

 

「じゃあとりあえずオレが
 あんたの娘を嫁にもらえば、
 ジイさんはそれで満足なのか」

「うむ。ただ今のままでは、
 おまえには娘の姿が見えぬ」

「どういうことだ」

「鑑識眼を持っていなくては、
 どんな大芸術家が描いた絵も
 子どもの落書きと同じじゃ」

「あ、なるほど」

「言ったろう。徳を積めと」

「…」


「意味がわからねば教えてやろう。
 なにか善いことをするんじゃ」

「一日一善か?」

「そんなことをやっていたのでは、
 千年たっても無理じゃ」

「じゃあどうすれば…」

「自分が
 万能の神だったら何をしたいか、
 明日の朝までに考えておくんじゃ」

「え」

「ワシは、寝る」

言うが早いか、
ジジイはごろりと横になると
すぐに高いびきをかき始めた。


「ジイさん、ジイさん」
オレはジジイを揺り起こした。

「なんじゃ。うるさいのぅ」

「寝る前に歯ぐらい磨けよ。常識だろ?」


| Story | | comments(2) | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - ひとりでも仙人(7) |

休憩中

9月27日(土曜日)以降の
私の状況を何かに喩えれば、

自分で縛って
縄が解けなくなってしまった
Mの人



 
| - | | comments(0) | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 休憩中 |

ひとりでも仙人(8)

目が覚めたら朝だった。

ジジイがいない。

と思っていたら、天井の方で音がする。

いや、天井じゃない、その上だ。

オレは部屋を出て階段を駆け下り、
アパートの前の路地に出た。


仙人…、いや、ジジイが、屋根の上で
太極拳みたいなことをやっている。

上半身裸になっているが、
亀仙人のようにマッチョじゃない。
腹回りはけっこうポニョだ。

通りでは、近所の住民が数人
屋根の上を指さしながら、眉をひそめて
立ち話をしている。

オレは他人のふりを決め込むと、
部屋に戻って
洗濯物を紙の手提げ袋に詰め込み、
ドアに鍵をして
さっさと実家へ向かった。


家には父さんがいた。
しまったと思ったがもう遅い。
そういえば今日は休日だった。

その上さらにまずいことに
母さんが外出中だった。

洗濯物を洗面所に放り込んだ後
オレが居間に入って行くと
父さんはちらりとこっちを見たけど、
何も言わずに
読んでいた新聞に目を戻した。

オレが
「おはよう」
と小さな声で言ったら、

「北海道の食糧自給率は
 195%もあるんだな」
と急に大きな声で喋ったので
びっくりした。

新聞から目を離していなかったので、
オレに喋りかけたのか
ひとり言なのか釈然としなかった。

それで黙っていたら、
「早く日本から独立した方がいいな、
 北海道は」
と父さんはまた大きな声で言った。

オレに向かって言ってるのか、
ひとり言なのか
父さん自身にもわかってないみたいだ。

そしてまた沈黙。

そのすぐ後に
母さんが帰って来てくれなかったら、
オレのみならず父さんも
気まずさに押しつぶされて
死んでいたに違いないと思うのだ。

 

母さんのつくってくれたうどんを食べ
昼過ぎにアパートに戻った。

そしたらジジイが部屋の中に居た。

「鍵をかけたはずなのに…」
と不審がると、

「ハ! そんなもん何の役に立つ!」
と小馬鹿にされた。

そして、
オレの持っているポリ袋を指さし
「食い物か」
と尋ねた。

「朝から何も食ってないのか」
とオレが聞くと

「うむ。朝がた諏訪湖方面に行って
 うまいカスミを探したんじゃが、
 見つからんかった」

オレは、
母さんに持たせてもらったポリ袋から
梨を二個だして与えた。

「おお、梨か。梨といえば
 昔、ワシの師匠が
 荷車の長柄を
 梨の大木にしたことがある。
 ん。んまいなこの梨は」

ジジイは梨にかぶりつきながら
続けて
「ときにコースケ」

「なんだよ」

「宿題はやったか」

「宿題?」

「ほれ。ワシが昨夜出したろう」

「ああ、あれか。忘れた」

そしたらジジイはひどく落胆した様子で
「そんなこったから
 受けた大学ぜんぶ落ちるんじゃ」

「か、関係ねーだろッ!」

「関係なくはない。
 おまえはワシの娘婿じゃからな」

「じゃあもういいよ。
 その話はなかったことに」

「今すぐ考えろ」

「え」

「今すぐ考えるんじゃ。『善いこと』を」


| Story | | comments(2) | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - ひとりでも仙人(8) |

ひとりでも仙人(9)

オレは考えた。

だがしかし、
そもそも『善いこと』ってなんだろう。

「あのさ」
とオレは
ジジイの顔色を覗いながら言った。

「なんじゃ」

「この先の交差点に
 歩道橋をつけるのってどう?」

「そんなことは市役所に頼め」

「じゃあ、世界平和」

冗談めかして言ったら、
ジジイはぎろりとこっちを睨んだ。

「コースケ。よく聞け」

「ななななんだよ」

「夢というのは憬れでもある」

「う、うん」

「『こうなれたらいな』と、
 それが叶うたときの姿を
 思い描くのが第一歩だ。

 じゃが、おまえがいま口に出した
 『世界平和』とは、じっさい
 どんな姿なのか、言うてみい」

「…」

「そんなのは
 『善いこと』でもなんでもない」

「そんなに怒らなくても…」

「おまえが真剣にならんからだ」

 

だけど、マジな話、オレには無理だ。

世の中をどうしてやろうとか、
そんなこと一度も考えたことがない。

普通に暮らしていければ
それで充分じゃないかって思う。

世の中のことは、誰かもっと
頭のいいヤツに
考えさせればいいじゃん。



オレが黙っていたら、ジジイが
「梨をもらうぞ」
と、ポリ袋に手を伸ばした。

「やめろよ。オレのがなくなる」

「食いたけりゃ、
 早く考えることだ」

「えー」

「んまいのう。これは豊水かの」

「…」

「最後の一個も食うぞ」

「ま、待ってよ!」

「何か思いついたか」

    北海道」

「ん?」

「ほ、北海道の独立!」

思わずそう叫んだら、
ジジイは目を細めて
きわめて柔和な顔で微笑んだ。

「さすがじゃ。
 さすがはワシの娘婿じゃ。
 よし、それでいこう」

「…?」
どこへ行こうというのだ。

それに、なんで
「世界平和」がダメで
「北海道独立」がOKなのか、
さっぱりわからない。


| Story | | comments(1) | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - ひとりでも仙人(9) |

ひとりでも仙人(10)

「さてそれでは」
と、ジジイは立ち上がった。

「どうするんだ」
と聞いたら

「知れたことよ。北海道へ行くんじゃ」

「ちょ、ちょっと待てよ。
 飛行機だってタダじゃねーんだぞ」

「誰が飛行機で行くと言った」

「そんならJRか?
 何時間かかると思ってるんだよ」

「誰が列車で行くと言った」

「…」

「まあ見ておれ」


ジジイは窓のところに歩み寄ると
がたぴしとガラス戸を開け、
右手の人差し指と中指をぴんと立てて
空に向かって真っ直ぐ突き出し、
ぶんッと手首を返すように振った。

そしたらほどなくして、
もっのすごいスピードで
白っぽいものが飛んできた。

窓の外に浮かんだ
タタミ一畳ほどのそいつは、
ふわふわもやもやと
なんだか常に形を変えている。

あっけにとられているオレに向かって、
ニヤニヤと得意げにジジイは言った。

「断っておくが觔(キン)斗雲ではないぞ。
 あれは、畏れ多くも
 齊天大聖様しかできぬ術じゃからな」

「じゃ、なんて名前?」
オレは思ったことを素直に口にした。

「なくても困らん。
 人間は何にでも名前をつけすぎる」

「『カネト雲』なんてどうかな」

「くだらんことを言わずに、乗れ」

「『金と運』なんちて」

「お、そうじゃ。忘れておったわい」

「わい」

「仙薬を飲んでおかんと」

「ねえ『月之雲』なんてどうかな」

「ほれ、これを飲め。苦いぞ。
 雲に普通の人間なんぞが
 乗れるわけがないからの」

「逆から読めば『運のつき』なんちて」

ごくん。わーにげぇー!

「神仙界のものを口にしておけば
 しばらくは大丈夫じゃ」

 

すごいスピードで飛ぶから
風が強いかと思ったら
そうでもなかった。

オレたちの周りを、空気がバリアみたいに
包んでくれているようだ。

それに、まわりに雲がないときは
下界の景色はとてもゆっくり流れていく。

だから思いのほか恐怖感はないので、
チャンスがあれば一度ぐらいは
乗ってみることをお薦めするのである。

「ジイさん、あれは何?」
オレは最後の梨を頬張りながら尋ねた。

「日本アルプスじゃ」

「え、もうそんなに来ちゃったの」

「もっと速く飛べるぞ」

「いや、べつにいいけど。
 …あッ!」

「どうした」

「部屋の窓、開けっ放しだった」

「知るかッ」


| Story | | comments(0) | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - ひとりでも仙人(10) |

ひとりでも仙人(11)

特徴ある形の下北半島が
眼下に見えたかと思うと、
すぐに大きな港が近づいてきた。

「函館港かな」
とオレが言うと、

「まず手始めにあそこからじゃ!」
とジジイが
はしゃいだように言った。

湾の上空を
いくぶん低く旋回しながら、
ジジイは
例の杖のグルグル巻きの方を
海面に向けて
さかんに「何か」を発している。

しばらく見ていても
何の変化も起きないので、
「何をしてるんだ?」
と訊いてみた。

しかしジジイは
「まあ見ておれ」
と言うばかりで、
港の周囲をひととおり回り終えると
「よし次じゃ」
と進路を変えた。

太陽と反対の方へ向かったから、
オレの地理の知識に間違いがなければ
次に行った港は室蘭港だった。

そこでもジジイは
同じようなまじないをした。

オレたちはそれから結局
十勝、釧路、根室、網走、紋別、稚内、
留萌、石狩、小樽、江差、松前と
北海道のめぼしい港を巡りながら
反時計回りに一周したことになる。

「ちょっともう一度
 函館に寄ってみるか」
とジジイが言ったときには、
もうだいぶ日が傾いていた。

函館湾は、最初見たときとは
明らかに様子が違っていた。

青黒かった海の色が
茶色っぽく変化している。

しかしそれはどうも
太陽光線とは関係がないらしく。

「なんだよアレ。何か浮いているぞ」
とオレが叫ぶと

「昆布じゃ」
とジジイが、
さすがに疲れた様子で答えた。

「昆布?」

まるで
港に出入りする船を邪魔するように
びっしりと海面を覆って
昆布が波に揺れている。

「よし、まあこんなもんか」
ジジイは言い、オレの方を見て
「腹、減ったな」
と笑った。

 

せっかくだからと札幌まで飛んで
ラーメンを食うことにした。

途中、ずっと遠くに
冠雪を頂いた大雪山が見えた。
西日に映えてそれはそれは美しかった。

だから、もし、チャンスがあれば
一度は雲に乗ってみることを
お薦めする。ぜひ。

それにまた雲は、
地上に降り立つとき
人目を避けねばならないにしても、
上空で待機していてくれるから、
駐車料金がかからないので
便利なことこの上ないのである。

まあそんな無駄口はともかく。

ラーメン屋に入ると、客がみんな
テレビ画面に見入っていた。

テレビでは、中継レポーターが
「昆布です! 利尻こんぶが
 港一面を覆い尽くしています!」
と絶叫していた。


| Story | | comments(0) | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - ひとりでも仙人(11) |

ひとりでも仙人(12)

テレビ画面では、
港の岸壁まで押し寄せた昆布が
ライトに照らされて揺れている。

周囲が闇なので
めっぽう不気味な感じに映っている。


ラーメン屋はけっこう混んでいたが、
空いたテーブルを探して座ったら
店員がすぐに注文をとりに来た。

オレは塩ラーメンを、
ジジイは味噌ラーメンを頼んだ。

「先に言っておくが」
とジジイが口を開いた。
「ワシは金はないぞ」

「わかってるよ」

「術でも出さんぞ」

「わかってるよ」

オレはそんなことより
テレビがすごく気になっていた。


「スクリューに昆布がからみつくため
 船は全く動くことができず、
 港の機能は完全にマヒしています。

 ですが、この現象は
 小さな漁港では起きていないので、
 明日の漁にはほとんど影響ないものと
 みられています」
とレポーターが言って
画面がスタジオに切り替わった。

評論家だか教授だかの肩書きのついた
貧相なオヤジが、
地球温暖化の影響云々などと
しかめっ面をして講釈を垂れている。

オレはもうおかしくておかしくて、
ジジイと顔を見あわせながら
声を出さないで大笑いした。

美人のキャスターの言うことには、
北海道の農産物の半分近くは
通常は道外へ出荷されているため、
このままの状況が続けば
日本の食糧事情は
たいへんなことになるらしい。

「それにしても
 なぜ利尻こんぶなんでしょうか」
とキャスターが尋ねたが、
例の貧相な評論家だか教授だかは
要領を得ない言説を繰りかえし
困ったように汗をふくばかりだった。

キャスターはそれに対し
「こりゃダメだ」というような表情を
一瞬だけ見せ、
すぐにカメラの方に向き直った。

「この緊急事態を受け、
 JRは貨物列車の増便を決め、
 航空各社も貨物便の増便を
 検討している模様です。
 …それではコマーシャルです」

 

そこまで見て
オレがジジイの方に視線を戻すと、
ジジイはラーメンを食う箸を止めて
テレビの方を見たまま
何か考えているふうだった。

「お、ラーメンもう来てたんだ。
 コショウとってくれる?」
オレは割り箸をくわえながら言ったが、
ジジイは固まったみたいに
答えようとしなかった。

「線路も空路もあったんじゃ…。
 忘れておったワシとしたことが…!」
ジジイはつぶやくと
猛烈な勢いでラーメンをすすり始め、

そしてあっという間に食い終えると
「待っておれ」
と言い残して外へ出て行った。


| Story | | comments(0) | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - ひとりでも仙人(12) |

ひとりでも仙人(13)

ジジイがあんまり戻ってこないので、
オレはそれから
ラーメンを3杯も食ってしまった。

最初はコーンラーメン、
次はバターラーメン、
最後に味噌ラーメンを
ゆっくり時間をかけて食ったけど、
どうにも間が持たなくなったし
店員が警戒しだしたので
勘定を済ませて外に出た。

ちなみに、オレの好みで言うと、
やはりバターラーメンが一番だ。

外に出たら、さすがに北海道だ、
もう秋風なんてもんじゃない。

思わずくしゃみをしそうになったところで
身体がひょいっと浮き、
気がつくとジジイの雲の上にいた。

おかげでくしゃみが引っ込んでしまった。

「すまぬ。
 思いのほか手間取ってしまった」

ジジイが先に謝ったので、
オレは文句を言うきっかけを
失ってしまった。

「とっとと帰ろうぜ」

オレはジジイが何をしてきたか
聞かないことにした。

どのみち明日になれば
テレビが大騒ぎしてくれることだろう。


アパートに着いたときは
もう午前1時を回っていたので
風呂に入りたかったが我慢した。

驚いたのは、
ジジイは風呂に入らなくても
平気なんだそうだ。

身体がめちゃくちゃエコにできているので
老廃物がほとんど出ないのだという。

そういえばトイレにもめったに行かない。

 

翌朝、…と言っても10時過ぎだが、
目を覚ましたオレは
どうしてもシャワーが浴びたくなった。

それで、またまた屋根の上で
太極拳をやっているジジイを放っといて
実家に向かった。


玄関を入って
「ただいま」と言った。
今日は父さんはいないようだった。

「おかえり」
と母さんの声がしたので、
「シャワー借りるよ」
と言ってそのまま風呂場に向かった。

髪を拭きながら居間に行くと
母さんがテレビを見ながら言った。
「なんか北海道はおおごとらしいよ」

そういや昨夜ジジイが何をしたのか
確認しなくちゃ。

画面に映っているのは、
空港の滑走路のようだ。

「ツルが逃げようとしません!
 追い払っても
 すぐまた舞い戻って来ます!」
とレポーターが実況している。

タンチョウヅルが滑走路を占拠し、
離発着ができなくなっているのだ。

なるほど、こういうことか。

「なにしろ特別天然記念物ですから、
 よほどのことでもないかぎり
 殺してしまうわけにもいきません」
と喋っているのは、
あの貧相な大学教授だ。

あ、評論家だっけ。
まあどっちでもいいが、テレビ局って
いつも同じ人しか使わないわけは
何かあるんだろうか。

それにしても、
こんなにオドオドしなくても
よさそうなものだが。

まあ、普通ならありえないような現象が
起きちゃったんだからしかたないか。

母さんがこっちを向いて
「あんたなにニヤニヤしてんのよ。
 気持ち悪いわね」
と笑いながら言った。

「いや、ちょっとね」
と答えたとき、
画面に映っているスタジオの様子が
急にざわつき始めた。

アナウンサーが、
手元に渡された原稿を読み上げる。

「たったいま入ったニュースです。
 青函トンネルの北海道側の入口付近に
 大量のタラバガニが
 押し寄せてきたそうです」



| Story | | comments(0) | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - ひとりでも仙人(13) |

ひとりでも仙人(終)

続報によると、タラバガニだけではなく
毛ガニや花咲ガニやずわいガニもいて、
それらはトンネルの中から
うじゃうじゃと湧いて出ているらしい。

蹴散らして走れば
列車は走行できなくはないが、
むしろそれより
カニがどこから侵入したかが大きな問題で、
その検査のため津軽海峡線は
全面ストップしたということだ。

 

翌日になると、
線路上にあふれる
おびただしい数のカニの中に
ボイルされたものが混じっていたことが
大きな話題となった。

テレビ局はワイドショーに
学者を呼ぶのをあきらめ、
カルト系の宗教家や占い師が
鼻持ちならない知ったかぶりを
連日恥ずかしげもなく披露した。


4日後には自衛隊が乗り出し、
大量のヘリコプターを動員して
物資が輸送され始めた。

これが災害なのかどうか
法的解釈ですったもんだしていた
政府の対策本部が
やっと設置されたのも、
それとほぼ同時だった。

築地市場では
農産物の価格が異常に高騰し、
都知事が非常事態宣言を出すに至った。

そのとき都知事が
「昆布やツルに足をとられるなんて、
 北海道はなにをやってるんだ」
と口をすべらせたものだから、

北海道知事が
「東京を支えてきたのは地方だ
 という事実を、
 これを機に再認識してほしい」
と応酬する一幕もあった。



| Story | | comments(8) | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - ひとりでも仙人(終) |

酒まつり

酒まつり
酒どころ西條(東広島市)で
毎年この時期に開催される酒まつり

今年はボランティア登録をして、
昨日も今日も酒蔵通りの救護所に在駐。

お暇な方はぜひ。
| - | | comments(2) | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 酒まつり |

『ショーシャンクの空に』

評価:
フランク・ダラボン,スティーブン・キング
ワーナー・ホーム・ビデオ
¥ 1,190
素晴らしいと評判のこの作品(DVD)を
ついに鑑賞することができた。

夜中家族が寝静まった後、
トイレを事前に済ませ、
ひとりでTVの前に陣取り、
イヤホンを付けた。

タイトルバックが流れ、
物語の世界に
私は次第に引き込まれていった。


この作品には、最初の方に
わずかな時間ながら
男女の絡みのシーンがある。

そしたら、
そのシーンが始まったと同時に
階段を降りてくる長男(高3)の足音が。

(おっと、まずいぞ、これは。
 どうしよう・・・・!)
と内心焦っている間に
背後で居間のドアが開く音。

画面では濃厚なキスシーン。

長男の鼻歌が止まる。

固まる私。

間。

画面では、女が
男のズボンのベルトに
手をかけて…。

背後で、
居間のドアがそっと閉まる音。

(ま、待て長男!
 ここだけ見て判断するな!)
私は焦った。

だが追いかけて行って
わざわざ釈明にこれつとめるのも
よけいに変に思われそうだ。

といって、このまま放っておくのも
さすがにマズいだろう。

どうしよう。困った…。




え、作品の感想ですか?

と、とっても良い映画でしたよ、
それはもう、ええ・・・。
| Review | | comments(10) | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 『ショーシャンクの空に』 |

秋思

「自分のイビキで目が覚めたよ」
と、朝食のパンに
マーガリンを塗りながら苦笑したら、

「その前の晩もずっとかいてたよ」
と妻が笑わずに言った。

もともと慢性の鼻炎があるので、
最近のように急に冷え込んでくると
かなりイビキをかくようだ。


就寝する時刻は私の方が遅いのだが、
妻は昔から眠りが浅いので
夜中によく目を覚ます。

そんなとき再び寝ようとしても
もしかするとうるさくて
なかなか眠れなかったのかなと
心配になった。

だが、それを確かめたところで
私にはどうしようもないから
黙っていた。


結婚以来どうも
妻に借りばっかり多くなって困る。
| - | | comments(6) | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 秋思 |

妻、株を売る

1か月くらい前のこと、妻から
「もう売ってしまおうと思うんだけど」
と、出先の私にメールが入った。

子どもが生まれる前まで勤めていた
某県内企業の株を
後生大事にずっと持っていたのだが、
これから上がる見込みもないし
配当もスズメの涙だし
…ということでついに決心したようだ。

「定期預金の利率と比べてみて、
 配当の方が低いんだったら、
 そりゃ売った方がいいよ」
と私も同意した。

妻は、その後2週間ぐらい
新聞の株価欄とにらめっこしながら
売るタイミングを計っていたらしく、
毎日の数字を記録するためのメモ用紙が
常に食卓の上に置かれていた。

長期的にはどんどん下落しているから、
2〜3日で変わる微妙な揺らぎを
どう捉えるかが勝負だったみたいだ。

とはいえ、合計金額にして
たかだか数千円高いか安いかの
差だったのだろうとは思うが。

だが
「昨日売ったよ」
と私に報告したときの表情は
わりと満足げであった。

そして
その日はすき焼きだった、
いつもの豚肉のじゃなくて牛肉の。


・・・妻、デイトレードの才能あるんかも?


 
| - | | comments(0) | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 妻、株を売る |

発泡酒

「飲む?」
と、発泡酒のミニ缶が
差し出されたのである。

夕食のご飯をかき込もうとしている
私の目の前に。

差し出したのは妻。

きょとんとする私。

前にも書いたと思うが、
私も妻もそうとうの下戸なので
家で酒を飲む習慣はない。

だから、このたびの妻の所行は
全く想定外で私を驚かせた。

しかし妻は、私がそれを受け取ると
何ごともなかったように席につき、
椀の中のジャガイモを
箸でつついたりなんぞしており。

ご相伴などという気持ちは
まったくないみたいで。


「ビールか、いいなー」
と長男(高3)が言うので、
「発泡酒だよ」
と答えつつ蓋をプシュッ!

ぐび。

下戸だがウマさはわかるのだ。

しかし
いくらアルコール度が低いとはいえ
ふだん飲みつけていないから
空きっ腹にはこたえる。


結局なかなか飲み干せなくて、
夕食のお茶代わりみたような
案配になってしまって、
食べ終える頃には、顔が火照って
胸が少し苦しくてふうふう言ってた。

「父さん顔が真っ赤だよ」
と次男(高1)が揶揄する。

「ミニ缶一本なのにね」
と、妻も笑う。


・・・いやいや、飲ませたのはおまえだろ。

っていうか、なんでまた今日に限って。


 
| - | | comments(7) | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 発泡酒 |

裏山のじいさん

妻と息子たち(高1と高3)が
いきなりこんな会話をしていた。

「じゃあ裏山に行けばいいのね」

「じいさんと話をするんだよ」

最初は何のことかわからなかった。

わが家には裏山などないし、
ましてやそこにじいさんなど。

こいつらが何かに取り憑かれたのか
それとも私が惚けてしまったのか。


幸いにも
DSのゲームの話だとすぐ気づいたので
疑念は数秒で解けたのであるが、
私だけつまはじきにされたような気分は
あまりいいものではないのである。

それにしても、たかがゲームに
なんでこんなに熱心になれるのか。

分厚い攻略本まで買って。

勉強の参考書は買わないのに。


・・・受験生がいる家庭の
雰囲気じゃないんですけど、
いいんでしょうか。


 
| - | | comments(3) | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 裏山のじいさん |

プライド

以前つき合いのあった
某社のエラい人から、

「どうして営業に来んのや」

と言われた。


「シッポを振ってくれば
 仕事を回しちゃらんこともないで」
という意味なのがミエミエだった。


なので、私も

「そういう態度だから
 二度とおたくの仕事はしたくないんです」

という本音は隠して、

「ハァおかげさまでいろいろと忙しくて…」
と、営業スマイルで答えておいた。


・・・すまん妻よ。
たぶん来年も貧乏のままだ。


 男はプライドの生きものだから
| - | | comments(6) | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - プライド |

親心

六花亭の「どんぐりころころ」
おみやげにもらった。

めちゃめちゃ美味。

6個あったので、
3個食べて
残り半分を妻に渡した。

しかし夕食前に居間に行ってみると
妻は1個しか食べていない。

口に合わなかったのかなと思って
「おいしくなかった?」
と尋ねたら、

「すごくおいしかったよ。
 だから残しといてやろうと思って」


・・・そうか、
おまえってば、
なんのかんの言っても
母親なんだなァ。
| | | comments(4) | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 親心 |

『人生は勉強より「世渡り力」だ!』

評価:
岡野 雅行
青春出版社
¥ 788
 
「人に世話になったら、4回礼を言え」
と、岡野さんは書いている。

1回目はそのときすぐ。

2回目は翌朝電話で。

3回目は一週間後に会ったとき。

4回目は一ヶ月後に会ったとき。

「その節はお世話になり、
 ありがとうございました」
って。

感服した。

感服したので、昨晩の食事のとき
家族の前でこの話を披露した。

そしたら妻が
「毎日会う人にはどうするん?」
とつっこんできた。

「え、いや。どうするんじゃろ…?」
と、たちまちしどろもどろになった。


「熱しやすく冷めやすい」
と、評価を受けがちな私ではあるが、

熱しやすいのは確かに認めるけど、
冷めやすいのは
多分に妻の存在によるところが多い。
| Review | | comments(0) | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 『人生は勉強より「世渡り力」だ!』 |

安売りはしない

20万円の見積書を提出したら
「高い。相場は8万円だ」
と言われた。

やっつけ仕事でよければ
8万円でもできるとは思う。

やっつけ仕事にしたくないから
20万円の見積書を書いた。

だけど近ごろは、みんなが
8万円の方ばかり喜んで求めるから、
ガラクタや不誠実や偽物や
怠慢や無責任や毒入りばかりが
世の中に溢れかえり、

さらにわが家は、
これまで午前中だけだった
妻のパート勤めを
夕方まで延長しなければ
ならなくなりそうだ。

もちろん家計のためだ。

しかしそうすると私は、
昼飯をひとりで食わねばならなくなる。

貧乏はまだしも
妻の顔を見ながら昼飯が食えなくなるのは
寂しくて辛いから嫌だ。

これは困った。なんとかしなきゃ。

もしかすると案外
100万円とかふっかけた方がすんなり



 妻の顔は通知表――新! 亭主関白宣言。
| - | | comments(4) | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 安売りはしない |

冬支度

妻がまだ
長袖のシャツを出してくれないので

「そろそろ冬支度を始めなきゃな」
とほのめかしたら

「そうね、あと何年もしないうちに
 子ども達は家を出て行くのよね」


・・・いや、そっちの冬支度じゃなくて。


 
| - | | comments(2) | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 冬支度 |

こんにゃく問題

高1の次男が最近
社会問題や時事問題に
よく興味を示している。

「父さん」

「なんだ」

「こんにゃくゼリーのことだけど、
 規制するんだったら
 餅の方を先にすべきだよね」

「その件なら、チャンス到来とばかり
 パフォーマンスに走った某大臣
 まずなんとかしろと父さんは言いたい」

「何考えてるんかね、政府は」

「実は、外国では
 規制しているところもあるらしい」

「え、そうなの?」

「それにしても、餅と比べるんだったら
 死亡人数だけじゃなくて
 生産量や消費量と対比した上でないと
 危険性は判断できないと思う」

「餅よりゼリーの方が
 食べてる人多いに決まってるじゃん」

「まさか」

「餅は年寄りしか食べないし」

「そんなことはないよ」

「しかも正月だけだし」

「・・・・・」


・・・なんだこの説得力。あせあせ


 
| - | | comments(9) | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - こんにゃく問題 |

我が敵は我にあり

島田紳助は嫌いだが、
その才能は認めざるを得ない。

『我が敵は我にあり』
の歌詞は、何度聴いても
心を揺さぶられる。


「そういえば、あの歌もいいよな」
と、昨日の夕食のとき
私は言った。

「どの歌?」
と、妻が尋ねる。

「ほら、あの歌だよ。えーと…
人に生まれたくせに グチばっかり言うな
親に心配かけといて 感謝の言葉もないくせに
 ってやつ」

「ああ…、あれね」
と、高1の次男。

「いかにも父さんの好きそうな曲だな」
と、高3の長男。

「だけど曲名が思い出せないんだ。
 えーと、えーと…。
 ア、思い出した、
 『アブラムシ』 だ!」

「『アブラゼミ』だよ」


・・・我が敵は我にあり。


| - | | comments(8) | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 我が敵は我にあり |

『棟梁 ― 技を伝え、人を育てる』

教育関係者や経営者は、ぜひ一度読むべき本。
 学校では先生が教科書を使い、黒板を駆使して教えてくれます。
 子供達は教わることが当たり前だと思っています。
 教わればわかると思っています。
 教わらないことは知らなくて当然だと思っています。
 学校は一年が経てば進級し、三年経てば卒業します。学校には期限があります。
 (中略)
 進級するには最低、決められた点数を取ればいいのです。
 その点数を取るためには近道があり、早道があり、要領があります。
 学校ばかりでなく、塾も予備校も、家庭教師も、それを教えてくれます。
 このすべてが技や感覚を師匠から受け継ぐための障害になるのです。


続きはこちら>>

イーブックオフで買う>>
ブックオフオンラインで買う>>
| Review | | - | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 『棟梁 ― 技を伝え、人を育てる』 |

にせカシミヤ


このニュースを聞いて以来

何かととばっちりを
うけているのではないかと、

もしそうだとしたら
とても気の毒で可哀想だと、

ただでさえ
誤解を受けやすい名前なのにと、


ニセアカシアのことが
気になってしょうがない。


| - | | comments(5) | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - にせカシミヤ |

松陰忌

安政6年10月27日、
幕末の思想家 吉田松陰 が処刑された。

享年29歳(満年齢)。



もっとも太陽暦では
1859年11月21日なのであるが、
資料の多くが本日を命日としている。


松陰は直情径行の人ではなかったかと
私は推測している。

思いを語り始めたら
止まらない人であったろう。

君ッ どうしてぼんやりと
私の話を聞いているのですか
あなたの時間が
もったいないではないですかッ

この地球上に
あなたは一人しかいなのであります

君は何のために生まれてきて
そこに座っているのでありますかッ

自分というワクにはめられていては
そこから抜け出せないのです

人々のために生きるのが
自分を生かす道でありますっ

「公」に尽くす道を歩まねばなりませんっ

そのために生きるのです
そのために学ぶのです

わかりますかッ




そしてまた家族思いでもあった。

処刑の1週間ぐらい前に書かれた
『永訣書』には、
親思う心にまさる親心
 けふのおとずれ何ときくらん

という辞世がしたためられている。

合掌。



| - | | comments(8) | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 松陰忌 |

カテゴリー

広島ブログのランキング画面

いつのまにか、
各ブログ名の下にキーワードが
表示されるようになっていた。

わが『デイリー・ロク』の場合は
[O型] [バラエティー] [子育て] [家族] [東広島]
と、それはそれはたくさん表示される。
(自分デ登録シタンデスガ。)

で、表示されて改めて思ったのだが、
[子育て]って、どうなんだろう。

息子は二人とももう高校生だ。

[子育て]という言葉から受けるイメージは、
やはり小学生ぐらいまでではなかろうか。

ちっちゃい子どものための
子育てブログだと思って訪れた方に、
知らず知らずの間に失礼をしているかも。

ごめんなさい。

先に謝っておく にこしたことはない


だがよく考えてみれば、
この日記の最初の方では、
息子らはまだ小学生だ。

だから、そういったいわゆる一般的な
「子育て」情報を求めて訪問された方は
なるべく古い記事を読まれる方がいい。


・・・え、面倒ですか。

じゃあしかたがないです。

私、個人的に
《さざなみ幼稚園》とか
《ゆめもくば》の人と知り合いなので、

今後は
そっち方面から得た情報なども
随時 たまーに 掲載することにします。

・・・あ、あんまり期待されませぬよう。汗
| - | | comments(3) | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - カテゴリー |

読書の秋…っていうか

昨日は大阪出張。



新幹線での出張には
文庫本を持って出かける。
| - | | comments(4) | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 読書の秋…っていうか |

難問

夜中 ネット徘徊 仕事をしていたら
高3の長男が仕事場にやってきて、
数学を教えてくれと言う。

「100から200までの数の間にある
 3の倍数の合計を求めよ」
という問題。

 

どうやら塾の宿題らしい。

頭をひねっていろいろ考えていたら、
長男は嫌気がさしたらしく
「あーホント勉強なんかしたくねー」
と言った。

さらに続けて
「母さんがパートで働く時間を延長して、
 そんなにまでして
 オレ大学行きたくねーよ」

「うーん、でもなー」
私が煮え切らない返事をしたら

「高校出たらすぐ働きたい。
 うち金ないんだから
 その方がいいじゃん」

(おお、そうしてくれるか)
と喉まで出かかるのを
ぐっと我慢して、考えた。

ひとことで言えば
「志」みたいなものが
まだ長男には欠けている。

大学へ進学したところで
それが見つかるという
保証はないけれど、

モラトリアム期間が伸びるだけ
かも知れないけど、

今のまま社会に出すのは、
やっぱりよくないんじゃないか。

うーむだがしかし
それは私の独りよがりかも…。

眉間にしわを寄せて悩んでいたら
長男がしびれを切らしたように訊いた。
「父さん、解き方わかった?」

・・・解き方がわかれば苦労しないっての。
| - | | comments(10) | このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 難問 |
↓↓ 押していただくと元気が出ます(私の) ↓↓
広島ブログ にほんブログ村 ライフスタイルブログ 自由人へ


 
本日の注目
最近の記事
PR


更新のお知らせ
Twitter
アーカイブ
その他